BE MY ANGEL

運命の王子様

私は美姫に声をかけるタイミングを逃し、物陰に隠れた。


それでもこんなに暗くて物騒なので、いつでも出て行ける準備はしていた。


その男はイングリッシュガーデンの中に備え付けてあるベンチの上で寝転んでいたようだった。


起き上がると伸びをした。


「オレは夜勤明けで眠くてここで寝てたんだ」


暗くて顔はよく見えない。


「君は何で泣いてるの?」


「えっ!?」


美姫は驚いて頬を流れる涙をぬぐった。


「こっち来て」


男は美姫に手招きした。


「ここ座って」


そして美姫がベンチに座ると、なんと図々しくも膝枕をしてもらった。


「ここ硬くて眠りづらいんだ」と言った・・・。
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