BE MY ANGEL
美姫はコートを着て、寒そうだと言って敬子にも上着を着せて抱きかかえた。


タイリンは敬子から離れた和久をおぶった。


美姫は私を一瞥したものの、何も言わなかった。


そしてマンションの10階から高い跳躍を見せて飛び出していった。


辺りは真っ暗だった。


私は呆然としながらそれを見送るしかなかった。


家へ戻ると、


「どうだった?美姫ちゃんはいた?」


と母に聞かれた。


「うん。何か怖い映画を大音量で見てたらしいよ。迷惑かけてスミマセンだって」


「そう。ならいいけど」


私は曖昧にごまかした。
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