BE MY ANGEL
「私、いい場所を知ってる」


そう言った美姫が向かったのは東京でも自然が多く残る多摩市だった。


その中でも高地にある誰も来ないような小さな丘を選んだ。


「ここは、私が毎日夢を見て悩んでる時によく来た所なの。見晴らしもいいし・・・」


「確かにここだったら誰も来ないだろうな」


「お父さん、ここで埋葬する?それとも未来で埋葬したい?」


「未来よりも自然の多く残るここで埋葬してやりたいです」


和久は涙を流しながら答えた。




和久は座って敬子の体を抱いて、頬を撫でながら30分程そうしていた。


埋葬すれば敬子と永遠の別れになるので、美姫とタイリンは黙ってそれを見つめていた。
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