BE MY ANGEL
「お別れは終わりました」


そう言って和久は敬子をそっと離した。


「そうか・・・」


頷いたタイリンは持参したスコップで墓穴を掘り始めた。


美姫もそれを手伝った。


墓穴が完成すると、みんなで敬子の体をそこに横たえた。


「敬子ォ~、敬子オオ~」


「お母さん、お母さぁ~ん!」


二人は思い思いに敬子に呼びかけた。


そして掘った土を戻した。


美姫は群生していた山茶花を墓に備えた。


その目には涙が光っていたー。
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