BE MY ANGEL
美姫はそのまま1時間程そうしていた。


月の明かりに照らされた男の顔をじっと眺めていた。


その顔はとても慈悲深かったー。


私の腕時計が20時半を指す頃、男が目覚めた。


「あぁ~、よく寝た~!」


そして美姫の膝から起き上がり、伸びをした。


美姫は思わずクスッと笑った。


「元気出た?」


男が尋ねた。


「うん」


「今日は付き合ってくれてありがとう。今度お礼するから」


「分かった」


お礼をすると言ったのに男は名前を名乗らず、美姫も聞こうとしなかった。


またここで会おうということだろうか。
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