ディア・ロマンス
romance1
「玲ー!」
翌日の朝、一人登校していた私の名を呼ぶ甲高い声が後ろから聞こえ振り向く。
視線の先に映る、こちらへと歩みながら手を振る女の子と優しく微笑む男の子。私は2人に身体を向けると、小さく笑う。
「おはよう。」
「うん、おはよー。」
可愛くはにかんだミルクティー色のロングヘアーの彼女は私の小学生の時からの友人である若月詩織。そして、
「…眠そうだね、光。」
「昨日夜までゲームしてた。」
ふわりと柔らかそうなウェーブがかかった栗色の髪の毛を、まだ眠気眼で掻きながら欠伸をするのは古賀光。
私と一緒に居続けてくれる、まあ物好きな友人。勿論、2人のことは大切である。