ディア・ロマンス
2人とも、美男美女という言葉がよく似合う。そこに私みたいな゙普通な女゙は合わないだろうに。
中学に上がる頃、それを言ったら2人して顔を真っ赤にさせて怒られた。
私らは、玲が好きだから一緒にいるの!
外見で見るわけねーだろ!
と。まったく、こんな無愛想が好きなんて物好きがいたものだと思う。
「あ、そだ玲、聞いた?」
過去の温かいような記憶に浸っていた私を、詩織の少し高揚が伺える声がリアルへと引き戻す。
それに、なにをと首を傾げて視線を送れば。
ふふんと得意気に笑う彼女。それに光がああと感づいたのか、楽しそうな声を出すからなんだと眉を寄せた。