空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
ボクは水に濡れていた手を
慌てて、Tシャツの腹で拭く
引き戸を開けて
頭をぶつけない様に入って来たユウくんは
瞳を怠そうに閉じ
ハッキリとした印象で、再び瞼を開く
額には汗
着古した感じの、ラフな服装
Tシャツ、ジーンズ、サンダル
それがとても
彼の雰囲気にあっていて似合っている
「 ボク、迎えに行くって言って…
というかごめんね?
とても暑かっただろう?! 」
「 …別に
そこまでマネージャーに
車で送って貰ったからさ 」
「 ―― そっか!
と、とりあえず中に入って?
何か飲むよね?なんでもあるよ! 」
「 ビール、ある? 」
「 あるけど…う〜ん…でも、
マネージャーさんに、怒られない? 」
「 ハザマさんが決めてよ 」
「 …… 一本だけだよ…? 」
「 …さすが! 話わかるね 」
ユウくんは嬉しそうに笑い
ビーチサンダルを脱いで、
土間から玄関にあがった