空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
「 …… 雲 」
今、大写しで目の前にあるのは
どこか自然の豊かな、田舎の風景
紺色の夜から、水色に明けた空
それから、白い時計台
馬に乗った、戦国武将の像
お城の屋根 金色に光る、二匹の魚
どこかに カメラがあるらしい
東京タワー、通天閣
湾岸に立つ、博多ポートタワー
なんか似ているなあと思って
調べた事があるけど
設計した人が、全部おなじだった
―― その上空には、夏特有の
モクモクとした、白い雲
その雲の影から
… だいぶ形が変形して
イバラの枝みたいになった『樹』が
いくつもいくつも 顔を出している
『 ――― だからこそ
現在はああやって、空中に浮いているが
明日の本州全域
天気は、ほぼ雲の無い晴れ
宿る場所の無くなった『LostLove』は
地に降りて来る
現に、雲のほぼ無い砂漠地帯では
川、湖、オアシスに降下を始め
全域に渡り、干上がり始めた 』
『 … 一日で、全てのアレを
燃やし尽くせ って事 』
『 ――― そうだ 』