空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜






耳の奥に、呼び出し音
首筋を流れて行く汗



コールは聞こえるけど、応答はない





『 …… に伴い
"LostLove"患…―の収容されている病…

"LostLove"のあらゆる……は
ある生命体から飛散する…接触により
発症する物と…― 判明



…トからヒトへの…染はありません
ヒトからヒトへの 感染は…――ません



国民の十%は
自宅での個人療…―と思われ
ただちに、指定施設への搬送と
特別感染病院や―…への連絡を 』





「 … それはムリだろ 」





ボクは留守電に
メッセージを入れ、携帯を閉じ
一人その放送に、抗議をした





――― だって、おかしいよ



交通機関は機能していないし
スタンドだって、シャッターを閉めてる

第一、"LostLove"患者は
自分の力で動けないんだ
動く意志、奪われてるんだ





…アイちゃんの
お見舞いに行った時の様子から
皆、ぼーっと
これを眺めてはいるだろうけど

頭の中に 意味として
多分、伝わっていないと思う ―――





テレビ画面には
"次の緊急放送は12:00"とテロップ

クラシック音楽と
のどかな田園風景








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