空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
『ちょっくら、腰をのばす』と
マサルさんも一緒に降りて来た駅前
――― 当たり前についてたネオン
地面から直接、穴から出てた噴水
ユウくんのバンドも映されていた
街頭のビル、大きなモニター
それは全部
眠るみたいに止まっていて
辺り一面、真っ暗だ
すぐそばにある高速とか
目の前にある交差点にも
クルマ、一台も来ないから
信号が消えていても、不便はないけど
薄墨色の空
… ここで天の川が見えるなんて
一度も、考えた事がなかった
照り返すための光源がないから
ただ黙って、立っているだけのビル
一番浮き立ち、目立っているのは
ただ足早に、そこを通過するだけで
存在を忘れていた 白い横断歩道
「 … 最初は、地中汚染だとか
人為的な細菌兵器とかのデマが
いっぺんに拡がって
原因がわからねえうちは
対策本部なんかも、初期にはあった
だから一応、形だけは今でも
立入禁止になってる場所だし
人はひとりもいねえと思 ――――… 」