空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
暗闇の中で何かが動き
ボクらは 一斉に振りかえった
…… 一気にふくれあがった期待は
その姿を確認した
視線と一緒にしぼんで行く
向こうは向こうで ――――
かなりびっくりしたんだろう
爪音を、カシカシとたて
シッポを丸め、建物の影に消えた
… ただ、ちょっとだけ
こわばっていた頬と一緒に
下がっていた口元もあがる
「 …… 犬だ 」
「 ハザマくん、とりあえずここぁ
おめえさんのアドレス、どっか書いてよ
とっとと行こうぜ
… 分かってた事たぁいえ
なんかこう、気が滅入ってきちまう 」
「 ―――…… 」
「 線路の切り替えも、上手く行ってるし
ちょっと都会は外して
住宅街が多いほうに向かうか 」
携帯は 鳴らない ―――――