空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
「 犬みてえだな 」
"クカカ" と、喉で笑い
またもやどこかから
スプレー缶やら、タオルやらを
調達して来てくれたマサルさん
「 ―――― ホレ、拭きな 」
「 … ありがとう! 」
ビショビショなのは
雨にぬれたせいもあるけど
今の成分の大部分は、きっと汗
「 ハザマくん 電車に戻ろうや
飲みもんとか食いもん
なんかねえか、チョロっと見て来たけど
あらかた漁られちまってら 」
「 ――… 了解です 」
駅に戻ろうと 振り返った耳に
どこか遠くから、カシカシと音
さっきの犬かな
… 犬 つれて行ったらダメだろうか
様子からすると、まだ一歳くらい
人間を見慣れないのか、驚いてはいたけど
ああやって、つかず離れず
こっちの様子を うかがっている感じ
――… どうやって 生きて来たんだろう