空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
「 よぉ〜 ハザマくん! 」
開け放した玄関から
ランニングに股引き姿の
"裏のおじいちゃん"
大工をやってるマサルさんの
日に焼けた、明るい顔が覗く
「 どうしました?!
奥さん、また腰やった?! 」
「 いんやいんや
うちのババアの腰はアンタが、
なんやかや面倒みてくれたお蔭様でな
その節は、あんがとな!!
お、それっとこじゃねえよ!
なんかよう
この辺じゃあまり見ねえ
やわやわしい嬢ちゃんが
商店街の方で、ウロウロしてたもんでさ
魚屋のマサキっつぁんが、声かけたのよ
そしたら、
『えーぞーかんとくのハザマ』
ちゅー人の家、捜してるってんで…
あ〜!!
そりゃうちの裏の息子だわ!っつってな?
――― よおおい!! 嬢ちゃんよお!
このヤロウだろ?!こっち来いや〜〜 」
「 … え まさか…
―――― アイちゃん?! 」
ボクは急いでゲタを履き
間隔を置いて敷かれた、
土と苔と、石の玄関先を走る
さして門まで、距離はない
すぐに
ボクの予想通りの
少女の姿が振りかえった