空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
アイちゃんの部屋は
窓から、手すりのある 内廊下
その下の、大きなフロアを見渡せる
少し、高い位置にある
「 ボクは… 」
「 "何もしてない"って言うんでしょう 」
「 … ! 」
アイちゃんは
くすっと笑った
「 ―― アイが
ハザマさんの映画を見て、感動して
手紙を書いたら、返事をくれて…
病室の中からってわかったら
わざわざ、お見舞いに来てくれた
それから ――― 」
「 ホントに、何をしたんだ?
ハザマくん 」
「 ―― 駅長さん 」
「 ご苦労様だったね
… 当初は
生きる意志を失った"LostLove"患者が
とっくの昔にやっていた事 ―――
呼びかけだけで動くなんて事は
ありえないと思っていた
… ホントに、何をしたの?ハザマくん 」
「 いや… 本当にボクは何も… 」
ただがむしゃらに
声をあげて、アドレスを書いて ―――
「 ――― そんなの決まってる!
"そらいろ新聞"を読んだからよ! 」