空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜





「 … アイちゃん 」



「 ―――… あの!

駅長さん、ハザマさん
私、体の具合、もう全然平気なの

… だから私
ハザマさんのお家に 帰りたい… 」




「 ―― ハザマくん 」



「 … はいっ 」



「 キミの家

寝室の押し入れは、ここへ繋がってる
なにかあったらすぐに
エレベーターで移動して来てくれ 」



「 …なっ!!
そうだったんですか?! 」





アイちゃんは
『ニンジャの家みたい!』と
声をあげて笑って
駅長さんも、口の端で笑う





「  アイ  」



「 ―― ユウくん!! お帰りなさいっ!」



「 ただいま アイ 」



「 ユウくん!! 平 ――― 」





ロボットに乗っていた時に着ていた
体にピッタリしたスーツを脱いで
元のシャツとジーンズに着替え
アイちゃんを抱きしめているユウくん



"平気だったのか"と
思わず口から出そうになった言葉を

アイちゃんは
ユウくんがロボットに乗っている事を
知らないんだと思い出して
とっさに、飲み込んだ





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