空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜









「 …まずさ
なんでこういう服が一式あるのか
それが謎だよね 」



「 ボクはこれでも、映画監督だよ?!

タキシードや
ウェディングドレスの一式くらい
当然、揃えてあります! 」



「 まあいいけど…
このリボンが意味不明 」



「 ちょいと下向いておくれ!
アタシがやったげるよ
… しかし、ユウちゃんアンタ
見れば見るほどイイ男だねぇ! 」



「 ぅおーい!!ババア!!
オレのハッピ出してくれよ!
神輿ん時の、祭用の奴さ! 」



「 うるさいよジジイ!!
アタシゃ今、ユウくんに夢中なんだよ! 」



「 なんだこのイロボケババア!!
オレだって可憐なアイちゃんに
くら替えしてえよ! 」



「 ほーう? 笑わせるねえ!
"オメエしかいねえ"って
土下座して来た時のセリフ
ここで全部
小唄にして弾いてやりましょうか? 」



「 そら可哀相そうよヨウコさん
ていうかさ、その様子って
この街の年寄りは全員知ってっから! 」



「 俺、知らない 」



「 おやっ!ユウくん聞きたいかい?

…あれはねえ
アタシがまだジュウゴで
女学校に通っていた頃でね? 」


「 あーーーやめろやめろ!!
うるせーし、なげーんだから!
…自分で探しゃいいんだろ探しゃ!! 」






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