空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
「 ―― 結婚式やるんだって?! 」
「 ハザマちゃん!!
裏からバラ取って来たわよ! 」
「 うわぁ!ありがとうございます! 」
――― 目が大きくなったユウくんと
口元を抑えながら
泣き出しちゃったアイちゃんを
奥に連れて行ってから一時間
案の定、下町ネットワークは
驚くほどの速さでめぐって
マサルさんと奥さんの掛け合いに
みんな大笑いする、にぎやかな居間
即席だったはずの結婚式会場は
達筆な二人の名の
立派な紅白の幕が、飾られるまでになった
そしてボクは ――――
少し、その賑わいから離れて
暫くの間 触っていなかった
仕事机に向かう
デジタル、ポラロイド
そして、撮影カメラ
色々考えたけど
この風景を映すのに
8ミリカメラを用意した
「 みんな!!見て頂戴!
――… とても素敵な、花嫁さんよ! 」