空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜





――― みんなが黙ってしまったから

にぎやかだった居間に

カメラが回る
ジーッという音だけが響く





「 …こりゃカワイイ花嫁さんだなぁ! 」



「 いやいやこれはステキな… 」



皆の賛美を尻目に
いつもは、超然としてる感じの
ユウくんがひとり、ア然としていて
とにもかくにも、珍しい風景でおかしい



「 ユ… ユウくん…?
なにか、言って … 」



アイちゃんの心配そうな声で
ちょっと赤くなったユウくんが
ハッと、我にかえった



「 ――… 」





「 こんばんはっ!!ハザマくんっ!!

ウェディングドレス着てるちゅうから
神父さんか牧師さん、捜したんだけど
うちの街、教会なんて
小洒落たトコねえって気がついた!

神主の桂さん、連れて来たぜ!! 」


「 ようこそ桂さん!いらっしゃい!!」





「 … アイ 」



ユウくんは
綺麗とか、なにがどうとか
なにも言いはしなかったけど

とても優しい表情で、アイちゃんを見て

黙って、白いタキシードの 左腕を向けた








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