空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜




”あの人は、船に乗っているのか”


”今どうしているのか確かめたい”




頭を振る




―――… いまさらだ



ボクは、彼女を裏切った


彼女自身も海外に渡り
優しい誰かと、一緒にいると聞く



ユウくんとだって
お互いの仕事が交差した時
偶然に知り合っただけ

向こうもボクを
"父"とは知らない ――――





このままでいい



"… ヘンだけど
そんなに悪くないオッサン"

彼がボクを、誰かに紹介してくれる時
そう紹介してくれるだけで嬉しかった





「 …― ユウくん!ちょっとゴメン! 」



「 なに? 」



「 少し離れるから、これよろしく! 」



「 わかった 」







< 176 / 206 >

この作品をシェア

pagetop