空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
”あの人は、船に乗っているのか”
”今どうしているのか確かめたい”
頭を振る
―――… いまさらだ
ボクは、彼女を裏切った
彼女自身も海外に渡り
優しい誰かと、一緒にいると聞く
ユウくんとだって
お互いの仕事が交差した時
偶然に知り合っただけ
向こうもボクを
"父"とは知らない ――――
このままでいい
"… ヘンだけど
そんなに悪くないオッサン"
彼がボクを、誰かに紹介してくれる時
そう紹介してくれるだけで嬉しかった
「 …― ユウくん!ちょっとゴメン! 」
「 なに? 」
「 少し離れるから、これよろしく! 」
「 わかった 」