空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
『 はい 』
「 ――… あ! …っと! 」
手はもう
考え事をしながら
アイちゃんのご両親に電話をかけてて
思いがけなくすぐに
お母さんの声が応答した
どこか、人のたくさんいる所なのか
賑やかな笑い声と
明るいクラシック音楽が
背後から聞こえてくる
『 ハザマ監督ですよね?
この度は、本当に申し訳ございません 』
「 え… いや、あの…
―― もう、船の中ですか? 」
『 ええ
…快適で、家族みんなで驚いてます
ハザマ監督のおっしゃった通り
こんな事なら、怖がらないで
もっと早くに乗ればよかった 』
――― なんて、切り出したらいい?
『アイちゃんを迎えに来て下さい』?
それとも ――――
『 ああ、アイが来ました
―― アイ、ハザマ監督さんよ
きちんと ご挨拶なさい 』