空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
最初は 手紙
… 『アイ』ちゃんのお見舞いには
一度だけ行った
寝てる様子だったからご両親に
お菓子だけを渡して帰って来た
――― 顔は 見てない
話をしたのは、今が初めてだ
ずっと新聞社の掲示板を通して
交流をつづけてたから
「 ハザマさーん!!
ハザマさんも一緒に写ろ〜! 」
「 ――… えっ あ、ああ 」
アイちゃんの明るい声に
ボクは携帯を ポケットにねじこんで
やたらかしこまった一群の
端っこに参加する
「 皆、固いかたーい!笑って笑って! 」
「 んな、いきなり笑えっつわれてもよぅ
オレらの世代は写真っつったら
かしこまりが当たり前なんだし 」
写真館の諭吉さんが
シャッターのスイッチを手に
皆に指示を続ける
しばらくしてフラッシュ
―――… 『アイ』ちゃん
君は どこから 来たの ?