空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
「 も〜!
皆して迎えに行くって言ってるのに〜!
…ここ来るまで、平気だったの?! 」
「 はい!
あれ… 皆って? 」
ボクは早く、"その誰か"を
アイちゃんに見せたくて
家の方へと、勢い良く足を向ける
だけど
家中の窓を開け放しているから
――― 当然と言えば、当然かな
ゆっくりとした、形の良いシルエットが
玄関先から現れた
「 ―――― うそ… 」
「 嘘じゃないよ!
アイちゃんの大好きな『ユウ』だよ?! 」
「 …うそおおおおおおぉっ!! 」
アイちゃんは、口を両手で抑えて
ホントに真っ赤な顔で、座り込んでしまい
果ては大泣き
ボクは理由をわかってたけど
裏のおじいちゃんは、大慌て
ご近所さんが次々集まり
なんだかすごく、大騒ぎになった