空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜









雲の波間



…… 違う 花畑だ



砂漠の国の 青空みたいな
真上を向くほど、黒くなっていく空

ガラス越しの太陽は、長い 放射状の光





雲を養分にしているらしい
真っ白い花が、一面に咲いてて



そんな風景のど真ん中

… もうあんまり「木」には見えない
斜めになった、巨大な幹
丸く膨らませた、その中心には
赤い 脈動



無数に延びる枝は
昆虫の羽みたいに、大きく開いていて

その所々に、シダの種みたいな
赤い球が いくつも付いてる



根は ―――――





「 ――… 船を くわえ込んでる 」





< 190 / 206 >

この作品をシェア

pagetop