空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜





「 …船の燃料は、キレイな水だから
『電気と水』に 反応したんだと思う 」





その光景に
ア然とする間もなく ――――

雲海の中から
雫みたいに雲を流して
いくつもの黒い戦闘機が
音もたてず、水平に上がって来た



ボクらの勝手な行動に怒ったのか
こうなれば
『木』も何もかも、もろともなのか

目で見える周囲にも
操縦席にあるレーダーにも
たくさんの黒い戦闘機が
囲むように集まって来る



そして、ロボットを目掛けての
長い雲をひいた、一斉砲火 ―――



「 …ハザマさん!!つかまって! 」





ユウくんに言われた通り
席の後ろ側に、身をかがめて
ガッチリと体を固定

急降下しては上昇
真横に移動しながら
操縦桿のボタンを押すと
波状になって ビームが舞い散る



「 やっべ… 弾切れっかも 」



ぼんやりつぶやいた
ユウくんの手前のパネルに
赤いランプが点滅して
弾の形のイラスト部分に、警告の文字




――― 途中から

何度押しても 弾は出なくて
レーザーブレードみたいのを
ユウくんは使い始めた





増えて行く、けたたましい警告音
衝撃と一緒に 途切れて行く意識






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