空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
「 ぅえっ?! は、はいっ?!
な、なに?! ユウくん! 」
「 あのさ 」
「 う、 うん 」
「 … 心配しなくても
俺、こいつと会ったの、
初めてじゃないからさ 」
「 ――― え?! そうなの?! 」
「 ええええええええ?!
は、初めてですよ?!
あ、会ってたらゼッタイ、私
忘れてません!
… そ、それはたしかにあの…
ずっとずっと…ファン でしたけど…」
「 … デビュー前からだろ? 」
「 え… 」
「 デビュー前から
ライヴハウスでやってた時
毎回一番後ろの方で、見てくれてた 」
「 … え…
き、気が付いてくれてたんですか…?
あ… あんなに後ろにいたのに…? 」
「 後ろってさ、結構見えるんだよ
それにお前
かわいいし、目立ってたから
… 途中から来なくなって
実はかなり、寂しかったんだ 」
そのキレイな瞳から
また涙がポロポロと、ヒザに落ちる
――――― 遠い存在
そう思っていた、その憧れの人が、
自分に気が付いていてくれた喜びは
どれくらい大きいんだろう
「 … するなら、風呂入って来いよ 」
「 は… はいっ!!! 」