空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜








―― ちょうどタイミング良く



毎日繰り返す放送を始めた
飛行船やヘリコプターが

かなり低空に降りて、
チラシを撒き始めたので ―――






こうなると長いんだ

ジワジワ盛大に鳴くセミの声まで
全部聞こえなくなってしまう






ボクは一応、窓やらを閉め
扇風機とクーラーをつけて
麦わら帽子をかぶり、
船の日影になった庭に降りた









昼近くになると


朝はピンと開いていたアサガオが
もう日差しに負けて、しおれている





でもその横には
いくつもの新しい蕾が、また延びていて



この分だと

切れる事なく、
この夏中は咲き誇るだろうなって


朝まいた水に
キラキラ輝くその姿を


チューチューアイスを食べながら、
しばらく 眺めていた









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