空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
「 よお!
ハザマさんおはよう! 」
初老の男性、紺の制服姿
手にはホウキとチリトリを持ち
首に巻いたタオルで
帽子の下の汗を、にこやかに拭いている
「 駅長さん
おはようございます!
あの…
掲示板、お借りしてもいいですか? 」
「 もちろんいいよお
もう電車は走ってないし…
この街の連中しか、見ないシロモノだけど
駅、夜に閉めるまでは、消さないから 」
「 はい!ありがとうございます! 」
だいぶ古い、木枠の黒板
短く、白いチョークを持って
ボクは、それを書き込んだ
「 ハザマさん 」
いつの間にか後ろに
ユウくんとアイちゃんの姿
「 ――― これ、掲示板…?」
「 うん
まだ携帯電話や、ネットが普及する前は
事前に待ち合わせ場所を決めて…
もし予定が変わったりしたら
こういう所に書いて、
それを知らせたんだって 」
「 …ええええ…
そうなんだああああ… 」
「 おや!なにやってんだい?
あらカワイイ娘さんじゃないか!」
「 ハザマさん、おはようさん! 」
「 おはようございます! 」