空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
陽炎が立つ
焼けた、熱い 線路の上
ギクシャクと行進する
キラキラと輝く物体が、忽然と
バッタリ音をたてて、前のめりで倒れた
「 …銀の…ロボット…? 」
ユウ君が目を細めながら
アイちゃんを少し後ろに隠して
ゆっくりと前に近付く
「 ―― いや… あれ、人だぞ…?! 」
ボクはそう叫び、走る
―― 装甲に見えた体はダンボールで
銀のオリガミが貼付けられ
被っているのは両手鍋
目には、水泳用のゴーグル…
「 …み、水…… 」
しわがれた声
ヨロヨロと、銀色の手袋をした腕を
虚空へと伸ばす
三人で一斉に、体中のダンボールを
思い切り引きはがすと
現れた顔は、皺くちゃの老人だった
「 だっ…大丈夫ですか?! 」
「 ま… 真夏にこんなカッコしてたら
倒れて当たり前だよ〜!!
―――― お、おじいさん?!
シッカリして!! 」