空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜






豆腐屋さんの
大将が鳴らすラッパが聞こえる夕暮れ



オレンジ色の風景の中
自転車と一緒に、黒い影を引く
ヨッちゃん先生を見送って


おじいさんに関しては
まだ動かさない方がいいと言う事で
ボクらは一晩
駅長室に 泊めてもらう事にする





「 身元が判る様な物は? 」



「 …いえ ホントに何も

元気になって
もし、隣街から来たのであれば
少し様子 聞けるかと思ったんですけど 」





「 …ムリじゃないの あの様子じゃ 」



「 これっ! そういう事は
いうもんじゃないぞ! 」



「 いてっ 」





確かに、現実を見すえた
ユウくんの意見だったけど
駅長さんはポンと、その軽口をいさめる







「 …ロボットを、探しに来たんじゃ… 」




突然
眠っていたはずのおじいさんの
しわがれた 声






< 71 / 206 >

この作品をシェア

pagetop