空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜





突如ユウくんが
アイちゃんの腕をつかんで立ち上がる



「 … 帰ろう アイ 」



「 まっ!!待ってくれいっ!! 」



「 …妄想に付き合ってるより
ヤリたい事あんだけど… 」



「 ユ…ユウくん…!聞いてあげようよ
おじいさん何だかユウくんに話
聞いて欲しいみたいだよ? 」



「 ……… 」





アイちゃんの言葉に
しぶしぶと、畳に座ったユウくん





「 …ロボットの目的は? 」



「 木を、倒しに じゃ… 」



「 何の木を? 」



「 …見えぬ者にはわからん… 」



「 何故

―――― あ、 もしかして…

あの『花びら』って
どこかの木から、降って来てる? 」





おじいさんは、その言葉を聞いた途端
すごい勢いで起き上がって
ユウくんの腕につかみ掛かった



「 オヌシ、見えるのか?!
あの花びらが、見えるのか?! 」



「 …見えたら何? 」



「 ユウくん、花びら…って? 」



「 ――― オヌシなら乗れるかもしれん!
いや、乗って欲しいんじゃ!!! 」



「 …自分が作ったのなら
自分で乗ればいいじゃないか 」






「 ワシは…――― 無理じゃった… 」



おじいさんは、しゅんとした顔で
ユウくんをつかんでいた胸元から
シワシワの手を、ゆっくり下ろした





「 …理由は? 」







< 73 / 206 >

この作品をシェア

pagetop