空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜
突如ユウくんが
アイちゃんの腕をつかんで立ち上がる
「 … 帰ろう アイ 」
「 まっ!!待ってくれいっ!! 」
「 …妄想に付き合ってるより
ヤリたい事あんだけど… 」
「 ユ…ユウくん…!聞いてあげようよ
おじいさん何だかユウくんに話
聞いて欲しいみたいだよ? 」
「 ……… 」
アイちゃんの言葉に
しぶしぶと、畳に座ったユウくん
「 …ロボットの目的は? 」
「 木を、倒しに じゃ… 」
「 何の木を? 」
「 …見えぬ者にはわからん… 」
「 何故
―――― あ、 もしかして…
あの『花びら』って
どこかの木から、降って来てる? 」
おじいさんは、その言葉を聞いた途端
すごい勢いで起き上がって
ユウくんの腕につかみ掛かった
「 オヌシ、見えるのか?!
あの花びらが、見えるのか?! 」
「 …見えたら何? 」
「 ユウくん、花びら…って? 」
「 ――― オヌシなら乗れるかもしれん!
いや、乗って欲しいんじゃ!!! 」
「 …自分が作ったのなら
自分で乗ればいいじゃないか 」
「 ワシは…――― 無理じゃった… 」
おじいさんは、しゅんとした顔で
ユウくんをつかんでいた胸元から
シワシワの手を、ゆっくり下ろした
「 …理由は? 」