夢幻双子
【夢見鳥】
真星はいつの間にか花畑にいた。
良くないものを見た日はいつもこんな夢を見るのだった。
きっとお告げがある。
ここらに夢見鳥がいて、それについて行けばお告げがあるはずなのだ。
なのに…なんだろう。
場が乱れている?
(私の他にも誰かいるの?)
夢であろうとここは神聖な場所だ。
今まで自分以外の人間に会ったことはなかった。
誰かに神聖な場所をそうとは知らずに踏み込まれ荒らされた。
そんな不快感が真星をおそう。
「誰か…誰かいるの?」
初めての状況に戸惑い、思いの外上擦った声が中りに響いた。
「いるのなら…出てこい!」
「おっかない女だね。」
「…!!」
男だった。
答えた声音は茶化しているようだったが、鋭く、怖いくらい冷たい目をした男だ。
真星は思わず一歩引いて顔を背けてしまった。
その様子を見て、男は一息ついて目線を少し和らげた。