夢幻双子
それに突き刺さるような視線。
珍しいものを見るような視線や、妬みの混じった視線。
感じるのはある種の畏れー
真星は力のある巫女だ。
御方様でさえその力を認め、御方様の後継者は真星であろうと囁かれた故に妬まれ、畏れられる。
巫女の力を持っているものがよく生まれる一族の者でもなかったからだろう。
ここのほとんどの巫女も仕女もその一族の出のもの。
真星は捨て子だった。
今暮らしている村に真赫とともに幼い時にふらっと表れた親も誰だかわからない子供で、村の代表でばあさまが引き取り育てたのだった。
本来ならば真星もこの宮で暮らすべきであったが、どうしても真赫と離れたくないということもあり宮ではなく今の村で暮らしている
重々しい空気を感じながらボーっと外を眺めていると輿がゆっくりと降ろされた。
どうやら着いてしまったようだ。
これから数日間此処で過ごさなくてはならないのかと思うと、真星の気は果てしなく重い。