夢幻双子
【夢々し君】
真星が宮に行っている間真赫は河辺に行った。
洗濯などの用を言いつけられたからだ。
川の水は冷たかったが、真赫は井戸水で洗うことはせずに、わざわざ川まで持ってきて洗うのが好きだった。
否、好きだったわけではない。
真赫にとっては人付き合いとは少しばかり難しいものであった。
自分のことを気味が悪いなどと思っている村人たちと話すのは難儀だ。
それと比べて好きだというだけー
真赫は洗濯物を洗いながらふと真星のことを考える。
すぐに無理をするので、心配だった。
なぜ真星が不思議な力を持っていたのかは解らないが、真星は真赫にとって全てといっても良いくらい大切な存在であった。
生まれ出て来る前から一緒にいたのだ。
お互いのことは全て知っていた。
過去形なのは、真星が巫女後からを使うようになってから少々事情が変わったからだ。
力の部分だけは双子でも解らない。