夢幻双子
「そうか‥私もなんだかそんな気がするよ。」
「…私は恐ろしくてなりません。」
老婆は励ますように言う。
「大丈夫さ。きっと御方様がどうにさしてくださる。
ともに祈り、我らの祈りを聞き届けてくださるに違いない。」
「…はい。」
(御方様が祈ってくださっても避けられない気がする。
何か物凄く近くに悪いものが…。
お婆様?
いいえ、違うわ。)
真星はとてつもない不安にかられ、ぶるっと身震いした。
もう寒さなのか、恐怖のために震えたのかわからなかった。
ただ、その悪い予感が予感だけで終わってくれることを願った