夢幻双子
◆◇真赫◇◆
嗚呼、あの男、早くいなくなれば良いのに
婆様に治療を受けたというのに、あの男はまだあの部屋にいる
姉様と直接会ったわけではないのに、姉様を知るというあの男
私も知らない、姉様の夢という世界を侵略するあの葛木という男
あの男のことはどうにも嫌だった
「真赫、あの男は嫌いか?」
婆様は真赫にそう問た
真赫が頷き
「きらいです。」
はっきり言えば、婆様は目を丸くして、キャラキャラと笑った。
「お主がそこまで意志表示するとは珍しいのぉ。あやつ何かしたか?」
といって、笑ったまま問い返す
「姉様を…危険な目に遭わせたくない」
そう答えれば、婆様は何も言わずに頷き部屋を出た。