夢幻双子
戦争という火種を持ち込みそうな俺の存在か
しかしあれがこの村を護ろうとするようには見えない
この数日いるだけでもわかる、真赫を疎んでいる村人たち
目覚め幾日もたっていない俺でも気づくほどの痛々しい視線
外部の俺が向けられる疑心にみちたものとはまた違う
冷たくよそよそしい態度
真赫と真星は双子であると俺を治療したあの偏屈ばばあに聞いた
辺鄙な村にはよくあることだ
田舎だけじゃない。
どこにだって未だにそういうことを信じる輩はいる
双子の言い伝えなんて、くだらない信じるに足らないものばかりだが…
俺を川で洗濯をしていたときに拾ったと言うがこの村には洗濯場となる井戸もあった
それなのにわざわざ川にいた
俺は気づいた
真赫というこの女は間違いなく孤独だ
ではなぜ?
…姉の居場所を護るためか?