夢幻双子
「…まったく」
ばあ様は伊吹に聞こえないよう、小さくため息をついた。
-この村の者たちは真赫を意味嫌いすぎる
特にこの伊吹、真星への忠誠が堅いため、真赫に対して露骨に眉を潜めるのだった。
彼らの言う儀式とは、お告げを下さった神様に祈祷するものだった。
いつもなら真星がするのだが、今回は例外である。
「皆も待っておるじゃろう。
なに、心配するほどのことではなかろうよ。
未来読みは体力を使うでのう、疲れがでたのじゃよ。
ほれ、早よう行くぞ。」
「はい、ただいま。」
ばあ様に急かされて伊吹は心配そうながらも、ばあ様に従った。