夢幻双子
真赫は優しい。
村の中には真赫を気味悪がる人もいるけれど、全くそんなことない。
私の片割れ。
私の大好きな妹。
いつも何となく頼って甘えてしまう。
部屋に着くとすぐに真赫は着替えを用意してくれた。
冷たくなりすぎて動かない手でまたぐずぐず着物を脱ごうとしていると、着替えも手伝ってくれた。
そしていつの間にか手足を温かい湯で暖めてくれた。
気づくと、はいっと何かを手渡された。
「何これ」
見れば温かい飲み物だった。
「薬ですよ。とても体が温まります。」
用意してくれた飲み物は、少しだけ熱すぎて、でも薬なのに甘く、冷ましながらゆっくりと飲み干した。