そして天使は闇へ堕ちる


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……暇


退屈で仕方がないリュリュカはあくびをかみ殺す

すぐに終わると思っていたが、一向に終わる気配がしない


これで何人目かしら?


疲れたなぁ。みんな同じこと言うし、飽きちゃった


ため息をついて横目でちらりとゼロを見る


相変わらず顔色一つ変えずにひじを突いている


適当に相づちを打って全く話を聞いていないゼロに、貴族の男はちらちらと様子を伺いながら自信の意見を主張してくる


「と、言うわけで陛下には是非早く新しい妃をと……」


そんな主張が疲れたリュリュカの耳にかすかに聞こえてきた


どの貴族も天使を妃にするのはやめた方がいいとか、もし天使を王妃にするのなら新しい悪魔の妃を持った方がいいだとか

確かに私は天使


そして王妃になんてものにしたのは横でつまらなさそうにしている魔王


自分だって望んでなったわけじゃないのにな




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