そして天使は闇へ堕ちる
「……何をしている。そいつを連れていけ」
虫を払うかのように手をひらひらと振るゼロの前に、リュリュカは立ちはだかる
「魔王、あなたはこの悪魔界の王様なんでしょう?一度だけならチャンスを与えるべきよ」
真剣な眼差しでゼロを射抜くと、ゼロはリュリュカの長い髪に手を伸ばして指に絡めた
「ならば対価を支払え。あいつを助けてやるんだ。それなりのことをしてくれるんだろう?」
最後にリュリュカの髪をぐしゃりと握り潰すと、悪魔の笑みを浮かべた
「で、どうする?」
「……わかったわ。だから……」
徐々に声が小さくなり、ゼロから離れる
そして彼は立ち上がり、冷たい声でこう言い放った