そして天使は闇へ堕ちる
「陛下はこれでもあなたを気に入ってるんですよ」
「え……」
今、何て……?
気に入ってる?
誰を?
「おい、何をぐずぐずしている。早く来い」
ゼロはリュリュカをぐいっと引っ張ってゾノから引き離す
「では王妃様、お気をつけて。それとそのベールはあまり他人の前で取らない方がいいですよ。命が欲しければね」
不可思議な言葉を言い終えると同時に扉は閉じられた
「……魔王、さっきはその……ありがとう」
「お前に礼を言われるほどのことはしてない。それに今からお前には対価を支払ってもらうしな」
対価って何をさせるつもりなのかしら
不安を胸に、リュリュカはゼロに連れられて歩き出した