そして天使は闇へ堕ちる
「あっ……」
「対価、もらうぞ」
耳元で小さく囁くとリュリュカの首筋に思い切り噛みついてきた
埋め込まれた牙の周りには血が溢れ出し、その溢れ出た血を音を立ててゼロが飲む
「痛っ……」
噛まれた首筋の激しい痛みがリュリュカを襲う
そして自分の血が吸われている音を耳にすると、リュリュカの背筋が震えた
「これが……あっ、対価……なの?」
痛みを耐えながらも問いかけるがゼロは何も答えない
ただ抱く力が強くなるだけで
そうやって次々にリュリュカの血を貪るゼロ
だが……
「も、もう……無理っ」
この短時間で結構な量の血を抜き取られて意識が朦朧となり始める
意識が……
ついにリュリュカは静かに意識を手放したのだった