そして天使は闇へ堕ちる
「気を失っている」
牙を抜いて口周りについた血を拭う
血を抜きすぎたか?
獣のように噛みあとに舌を這わす
ゼロは帰りたいと言い出した妻に苛立ちをおぼえて思うままに血を貪ってしまった
彼は今まで数多の天使の血を貪ってきたが、ここまで甘く、虜にさせた血はリュリュカが初めてだった
「お前は何者なんだ?」
日々退屈していた俺に色をくれるお前は何者なんだ?
リュリュカの髪を指に絡めて口づけを送る
愛しいなどとは思ってはいない
こいつはただの暇つぶしの道具……
それだけだ