そして天使は闇へ堕ちる


「絶対?」


「当たり前だ」


「……了解」


すねた子供のように唇を尖らせて、ゾノはしぶしぶ席に着く


と、同時に扉をたたく音が部屋に響く


「入れ」


扉も見ることなくそうゼロが言うと、扉は開かれてゾノの部下であるロキ・ジゼルが入ってきた


「失礼します。ザゾノア様に報告があって参りました」


ロキがゾノの前に立つと、ゾノは顔を上げてロキを見た


「案外早かったな。明日までかかると思っていたんだが」


「少し状況が変わりまして、深く調べ上げることが出来ませんでした。申し訳ございませんでした」


「かまわないさ。俺たち悪魔は天界に長く居座れないしなぁ」


ゾノは腕を組んでうなだれていると、不機嫌な声が会話に混じってきた


「いつになったら終わるんだ」


「すぐ終わる。ついでだから陛下も聞いとけよ。こいつ俺の部下なんだけど、王妃様の件で天界に行ってたんだ」


「なら早く報告を」


「了解。じゃ、話して」




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