そして天使は闇へ堕ちる


「はい、では報告します。……王妃様がこちら連れてこられたときに身につけていた衣服から徽章が出てきました」


胸ポケットに手を入れてた徽章を取り出す


「天界の身分制は上から大天使、正天使、準天使、そして紫羽根となります。王妃様は最上位の大天使のようでした」


「王妃様出世してんだな」


驚いた顔をするゾノに気にすることなくロキは報告をつづける


「王妃様の特有の香りを元にお住まいを探しましたが、どうやら一人暮らしのようです。それから王妃様について気になることがいくつかあるのですが……」


ロキがちらりとゼロの様子をうかがう


「気にするな、言ってみろ」


ゼロはロキの視線に気づいて話を続けるように言い放つ


「……王妃様の捜索を内密に行われているようなのです。しかも神が直々に捜索しているようでした」


顔色一つ変えなかったゼロの眉がぴくりと動く


「そのせいか天界は一層清められていて、息することもままならなかったです」


< 122 / 264 >

この作品をシェア

pagetop