そして天使は闇へ堕ちる


「他に陛下に言いたいことはないか?」


「一つだけあります。王妃様の姓ですが、どれだけ捜してもそんな姓は出て来ませんでした。どうやら存在していないようです」


リュリュカの姓が存在しない?


ではリュリュカが嘘を言っているのか?


ゼロが机を睨みつけて考えていると、ロキの報告が終わってしまった


「これで全てです。引き続き調査しますか?」


「えっと……どうする陛下?」


「必要ない。下がれ」


「では失礼します」


敬礼すると、頭を一度下げてから部屋を出て行ってしまった


「どう思った?」


「王妃様がただの天使とは思えないな。こりゃぁちゃんと調べねぇといけないかもな」


「お前もそう思うか」


大臣らは今、リュリュカが王妃になることをひどく反発しているため、もしリュリュカになにかあれば大臣たちはそこをついてくるだろう


そうなる前に事前に知っておく必要があるな


「この仕事が終わり次第リュリュカに聞き出す。だから早く終わらせるぞ」


「了解。夜中までには終わらせような」



そして二人の長い闘いは始まったのだった






< 123 / 264 >

この作品をシェア

pagetop