そして天使は闇へ堕ちる
変わりゆく心
「んっ……」
なんか重い……
震えるまぶたを開かせると、視界いっぱいに見覚えのある顔が入る
「ま、魔王!?きゃぁぁぁ!!」
その正体がゼロであることに気がつくと、反射的に手が出てしまった
バチーンッ!
気持ちがいい音が部屋に響き渡ると同時に隣で寝ているゼロが目を覚ます
「いっ!!何をする!」
「な、ななな何であなたがここで寝てるのよ!」
顔を真っ赤に染めてリュリュカはベッドから跳び起きると、弾みで下に落ちてしまった
「きゃっ」
うぅ…いたたた……
あまりの痛さに両目から涙がにじむ
打ちつけられた身体さすっていると、ため息と共にスプリングのきしむ音が響く
「つかまれ」
ゼロはリュリュカの前に立つと、手を差し伸べる
「えっ」
「早くしろ」
思いがけない人から差し伸べられた手にリュリュカ戸惑いを隠せない
「……大丈夫。自分で立ちます。あなたの手は借りません」
「はっ。強情な女だな」