そして天使は闇へ堕ちる
「助かったよ。ザゾノア・フォル」
「自分は陛下のためを思って言っただけです。別にあなたの為ではありません」
「なるほど。しかし陛下だけじゃなく、君にも嫌われているのがよくわかったよ」
「あなたは自分勝手すぎます。陛下をどれほど傷つければ気が済むんですか」
「傷つける?僕はいつ、誰を傷つけた?」
そうシェゾが問えば、ゾノは
「多くの人を、です」
と、眉一つ動かすことなく言い放った
「恐れ多くも先代にその様な態度をとれるなんてね。流石はゼロの部下と言ったところかな?」
「伊達に長年陛下と一緒にいませんよ。先王、この機会だから言っておきます。これ以上陛下や陛下の大事なものを傷つけたら許しませんよ。もし、傷つけたら……」
「傷つけたら?どうするの?」
顔を傾けて実に愉快そうに笑うシェゾとは裏腹に、ゾノは真剣にこう答えた
「自分がゼロに変わってあなたを殺します」
傷つけることは許さない
もうあいつの傷つくとこは見たくない―――