そして天使は闇へ堕ちる


「何でもいいんだよ〜。でも城から出たいとかだめだよ?」


「わかってる。けど自由に出来ないってのは辛いよ。いつになったら自由に動けるの?」


「それは堕天するまでよ。リュリュカが天使だから甘い香りを漂わせてるの。堕天使になればしなくなるらしいし」


「堕天……」


それは天使ではいなくなると云うこと


天の道を外れた天使のこと


そういえば何故自分は堕天してないのだろう


3日なんてとっくに過ぎている


前に一度自分の羽根を見たときにはまだ白さを保っていた


なら今は?


「ねぇヴァイオレット。私の羽根は何色に見える?」


自らの羽根を実体化させてヴァイオレットに見せる


リュリュカは自分の目で見るのが恐ろしくてまぶたを堅く閉ざす





< 185 / 264 >

この作品をシェア

pagetop